不妊治療と鍼灸は併用できる?タイミング法・人工授精・体外受精の段階別の通い方【那覇市国場】ーがじゅまる鍼灸整骨院
「病院でタイミング法をしているけれど、鍼灸も一緒にやっていい?」「人工授精や体外受精に進むなら、鍼灸はいつ受けるのがいい?」「病院に鍼灸に通っていることを言ったほうがいい?」。不妊治療中の方から、こうしたご質問をいただきます。
当院には、病院での治療と並行して通われている方が多くいらっしゃいます。今回は、タイミング法・人工授精・体外受精のそれぞれの段階で、鍼灸をどう組み合わせると無理がないのか、通院の考え方をお伝えします。
大前提:治療の主役は病院です
最初にお伝えしたいのは、鍼灸は病院の治療の「代わり」ではなく、「土台を整える補助」だということです。鍼灸で卵管が通る、精子の数が増える、着床率が確実に上がる、といった断定はできません。
次のような場合は、鍼灸より先に、または並行して、病院での検査と治療を優先してください。
- 35歳以上で半年以上、35歳未満で1年以上、妊娠に至っていない(まだ検査を受けていない)
- 生理が不規則、または止まっている
- 卵管や子宮の異常、男性側の要因が指摘されている
- 年齢や卵巣の状態から、医師に治療のステップアップをすすめられている
「鍼灸で体を整えてから病院へ」と考えて時間を使ってしまうのは、もっとも避けたいことです。検査と並行して体を整えるのが、一番の近道です。
段階別・鍼灸の組み合わせ方
タイミング法の時期
排卵日を予測して夫婦生活のタイミングを合わせる段階です。この時期の鍼灸の目的は、冷えと血流の改善、自律神経の安定、そして生理周期を整えることです。
通院の目安は週1回。周期に合わせて、生理後〜排卵前は卵胞を育てる時期として血流を促す施術、排卵後は着床しやすい環境を整える施術、というように内容を変えていきます。基礎体温表を持参いただくと、周期に合わせた施術がしやすくなります。
人工授精(AIH)の時期
排卵のタイミングに合わせて、調整した精子を子宮内に注入する方法です。排卵誘発剤を使う場合もあります。
鍼灸は、人工授精の前後どちらも受けられます。目安としては、排卵誘発中は週1回、人工授精の前日〜当日、そして施行後の数日以内に1回。誘発剤による体のだるさ、お腹の張り、気分の波を和らげる目的でも施術しています。
体外受精・顕微授精の時期
もっとも問い合わせが多いのが、この段階です。体外受精は、卵巣刺激(採卵に向けて卵胞を育てる)、採卵、受精・培養、移植、判定という流れで進みます。
卵巣刺激の時期は、卵巣が大きく腫れています。この時期の施術は、お腹への強い刺激を避け、全身の血流と自律神経を整えることを中心にします。運動と同じく、卵巣捻転を防ぐため、うつ伏せや腹部への圧迫はしません。
採卵後は、卵巣の腫れが落ち着くまで数日〜1週間ほど空けてから。お腹の張りや痛みが残っている場合は、無理をせず主治医に確認してください。
移植の前後は、子宮内膜の血流を整える目的で施術を受ける方が多い時期です。移植の前日〜当日と、移植後の数日以内に1回ずつが、一般的な目安です。移植後は、体を温め、リラックスして過ごすことを優先します。
判定までの期間(いわゆる「判定待ち」)は、気持ちがもっとも揺れる時期です。この時期の施術は、体を整えるだけでなく、不安を話せる場所としての意味もあると感じています。
病院に鍼灸のことを伝えるべき?
伝えることをおすすめしています。多くの不妊治療専門クリニックでは、鍼灸との併用を否定していません。むしろ、治療のスケジュールを鍼灸院と共有できたほうが、施術のタイミングを合わせやすくなります。
当院でも、治療のスケジュール、使用している薬、検査結果をお聞きしたうえで施術内容を決めています。「病院には言いにくい」という方もいらっしゃいますが、体のことを一番よく知っているのは主治医です。遠慮せず伝えてください。
よくあるご質問
薬を使っていても鍼灸は受けられますか?
受けられます。排卵誘発剤、黄体ホルモン剤、ピルなどを使用中でも問題ありません。ただし、どの薬をいつ使っているかは必ずお知らせください。施術内容の調整に必要です。
どのくらいの期間、通えばいいですか?
体質の変化には、卵子が育つ周期の関係で3か月ほどかかることが多いです。まずは3か月を目安に、体の変化を見ながら続けるかどうかを一緒に判断しています。「ずっと通わなければならない」ということはありません。
夫(パートナー)も受けられますか?
受けられます。男性側の疲労、ストレス、冷え、睡眠不足は、精子の状態に影響するといわれています。ご夫婦で通われる方もいらっしゃいます。
鍼灸でできること・できないこと
できないことは、はっきり申し上げます。鍼灸で卵管の詰まりを取ること、卵子の数を増やすこと、染色体の異常を防ぐことはできません。医学的な要因には、医学的な治療が必要です。
そのうえで鍼灸にできるのは、体を「妊娠しやすい状態」に近づけることです。冷えと血流の改善、自律神経の安定、睡眠の質の向上、治療の副作用によるだるさや気分の波の緩和、そして緊張して固まった体をゆるめること。病院の治療が最大限に効く体の土台をつくる、それが鍼灸の役割だと考えています。
当院が大切にしていること
不妊治療は、通院、注射、採血、待ち時間、そして結果を待つ不安。体にも心にも、想像以上の負担がかかります。その中で、鍼灸院は「体を整える場所」であると同時に、「治療の話を安心してできる場所」でもあってほしいと思っています。
治療の段階、年齢、気持ちの状態は一人ひとり違います。「今の私に何ができるか」を、一緒に整理していければと思います。治療の途中からでも、これから始める方でも、どうぞお気軽にご相談ください。

