産後の抜け毛はいつまで続く?時期の目安と今できるセルフケア【那覇市国場】ーがじゅまる鍼灸整骨院
「シャンプーのたびに、排水口がふさがるほど抜ける」「分け目が透けてきて、鏡を見るのがつらい」。産後3か月を過ぎたころ、こうしたご相談をいただくことが増えます。
周りに話しても「みんなあるよ」で終わってしまいがちですが、当事者にとっては不安なものです。今回は、産後の抜け毛がなぜ起こり、いつごろ落ち着くのか、そして今できることを整理してみます。
大前提:こんなときは皮膚科・内科へ
産後の抜け毛は自然な経過をたどることがほとんどですが、次のような場合は別の原因が隠れていることがあります。医療機関を受診してください。
- 円形にぽっかり抜けている(円形脱毛症の可能性)
- 頭皮に赤み、かゆみ、フケ、痛みがある
- 動悸、息切れ、強い立ちくらみをともなう(貧血の可能性)
- 汗が異常に多い、体重が急に増減した、手が震える(甲状腺の機能の変化)
- 産後1年半を過ぎても抜け毛が減らない、生え際が後退している
とくに産後は鉄が不足しやすく、貧血が抜け毛に影響することがあります。血液検査で分かることですので、気になる方は健診の際に相談してみてください。
なぜ産後に抜けるのか
「抜けすぎ」ではなく「まとめて抜けている」
髪の毛には、伸びる時期(成長期)と、抜ける準備に入る時期(休止期)があります。通常は一本一本がばらばらのタイミングで生え替わるため、抜け毛が目立つことはありません。
妊娠中はエストロゲンの影響で成長期が延長され、本来なら抜けるはずだった髪が抜けずに残ります。「妊娠中は髪が増えた気がした」という方が多いのは、このためです。
ところが出産でエストロゲンが急激に下がると、留まっていた髪が一斉に休止期へ移行します。そして2〜3か月後、それらがまとめて抜けはじめる。これが産後脱毛(分娩後休止期脱毛)です。
つまり、髪をつくる働きそのものが失われたわけではありません。本来分散するはずだった生え替わりが、一時期に集中しているだけです。
いつまで続くのか
一般的な経過は次のとおりです。
- 産後2〜3か月ごろ:抜け毛が増えはじめる
- 産後3〜4か月ごろ:ピーク。もっとも不安が大きい時期
- 産後6か月〜1年:徐々に落ち着き、生え替わりが追いついてくる
- 産後1年〜1年半:おおむね元の状態に戻る方が多い
時期には個人差があり、授乳期間や2人目・3人目かどうかでも変わってきます。「〇か月で戻らないとおかしい」というものではありませんので、あまり厳密に考えなくて大丈夫です。
回復期には、生え際に短いアホ毛のような髪が立ち上がってきます。見た目には気になりますが、これは新しい髪が育っているサインです。
今できるセルフケア
1. 髪の材料になる栄養をとる
髪はケラチンというたんぱく質でできています。加えて、鉄・亜鉛・ビタミンB群が合成に関わっています。
授乳中は栄養が持ち出しになりやすい時期です。卵、納豆、ツナ缶、豆腐など、手間をかけずに食べられるものを常備しておくと続けやすくなります。沖縄なら島豆腐やレバー入りのチャンプルーも取り入れやすいですね。鉄の吸収を助けるビタミンCとして、シークヮーサーを絞る、ゴーヤーを添えるのもおすすめです。
逆に、極端な食事制限によるダイエットはこの時期避けてください。抜け毛が長引く原因になります。
2. 頭皮をやさしくほぐす
抜けるのが怖くて、髪に触れるのをためらう方がいらっしゃいます。でも、やさしく動かすぶんには問題ありません。
指の腹を頭皮に置き、爪を立てずに、皮膚ごと小さく円を描くように動かします。耳の上、後頭部の付け根、生え際まわりを各30秒ほど。首や肩のこりもゆるみ、リラックスにつながります。
3. 洗い方と乾かし方
- シャンプーは爪ではなく指の腹で。ごしごしこすらない
- 「抜けるから」と洗う回数を減らすのは逆効果。皮脂が残ると頭皮環境が悪くなります
- 濡れた髪はキューティクルが開いて傷みやすいので、自然乾燥せずドライヤーで根元から乾かす
- きつく結ぶ髪型を毎日続けると、引っ張る力が負担になります。時々ゆるめに
4. 見た目の工夫も立派な対策です
分け目をいつもと逆にする、思いきって短くする、生え際の短い毛をヘアバンドやピンでまとめる。回復を待つあいだ、気持ちを軽くする工夫も大切だと思います。美容師さんに「産後の抜け毛が気になる」と伝えれば、目立ちにくい切り方を提案してもらえます。
鍼灸でできること
鍼灸で抜け毛が止まる、髪が生えるといったことは申し上げられません。産後脱毛はホルモンの変化による経過であり、時間とともに落ち着いていくものだからです。
そのうえで当院にできるのは、首や肩の緊張をゆるめ、睡眠や自律神経のバランスを整えるお手伝いです。首から上の血流は、肩や首の筋肉の状態に左右されます。産後は授乳や抱っこで首まわりが固まりやすい時期ですので、そこをゆるめておくことには意味があると考えています。
また、お話をうかがう中で貧血や甲状腺の可能性が気になる場合は、医療機関の受診をおすすめしています。
当院が大切にしていること
抜け毛は、痛みのように「つらい」と言いにくい悩みです。「命に関わることじゃないし」と自分に言い聞かせて、一人で抱えている方も多いように感じます。
けれど、毎日鏡を見るたびに気持ちが沈むというのは、十分につらいことです。産後の体に起きている変化のひとつとして、遠慮なくお話しいただければと思います。
いつごろ落ち着くのか、今の時期に何をしておくとよいのか。見通しが立つだけでも、少し楽になることがあります。赤ちゃん連れでのご来院も歓迎しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

